第3回 フィリピン医療ボランティア 2008年1月10日(木)~1月14日(月)
ボランティア活動報告
3泊5日の日程で、今年のフィリピン医療ボランティアが実施されました。
今回の訪問地区は、マニラ近郊の「パヤタス地区」です。
日程 2008年1月10日(木)~1月14日(月)
1月10日(木) | 国内移動 |
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1月11日(金) | マニラ入り プールボリシータ孤児院訪問 |
1月12日(土) | NARRA COVERED COURT にて医療奉仕活動 および歯ブラシ配布 |
1月13日(日) | RAJA SURAIMAN 高校にて医療奉仕活動 および歯ブラシ配布 |
1月14日(月) | トラモー小学校訪問 帰国 |
総勢27名のボランティアスタッフにての活動です。
歯科医師(10名)、歯科衛生士・助手・看護士・保育士(7名)、支援員(3名)、高校生(7名)
2008年「ハローアルソン」フィリピン医療ボランティア詳細
今回の活動は、2008年1月11日から14日にかけてフィリピンのパタヤス地区とトンド地区で行いました。どちらの地区もフィリピンの中で最も恵まれない人達が住んでいる地区です。
今回のボランティアは「ハローアルソン」チームと長野県のローターアクトクラブそしてフィリピンのロータリークラブとの合同の医療奉仕活動でした。
日本からの活動メンバーは当会から27名、長野ローターアクトクラブから20名、合わせて47名でした。
この中には高等学校生が7名で、長野県岩村田高等学校生1名、小諸高等学校生1名、上田染谷丘高等学校生1名、軽井沢高等学校生2名、群馬県吉井高等学校生2名でした。
そもそもこの活動は、
フィリピンの経済的に恵まれない人達に歯科医療を提供すること
その活動を通して日本の豊かさを実感し、豊かな国に住むものとして恵まれない国の人達に心を運ぶ優しさを育成すること、
この活動を若い大きな可能性を持つ高校生に体験してもらい、この活動の後継者として、これからの国際協力の担い手を育てる
という目的で活動をしています。
参加者の内訳
1.歯科医師10名
2.歯科衛生士3名
3.看護師1名 歯科助手2名
5.保育士2名
6.会社員2名
7.高校生7名
合計27名です。
奉仕物資数
ハブラシ(13万本)
タオル(3,000枚)
石鹸(2,400個)
ぬいぐるみ
高校生カンパ
具体的な奉仕活動
第一日目
カウイット市、トラモー小学校で、400名を対象に保健予防活動とタオルや石鹸の配布をしました。全校生徒が日の丸小旗を振って歓迎してくれ、参加者は大いに感動させられました。
長野県小諸市坂の上小学校の全校生徒が集めてくれたぬいぐるみと、3年3組の皆さんが書いてくれた寄せ書きを届けました。
第二日目
パヤタス地区、パヤタス小学校で1,100名を対象に、保健予防活動と221名の歯科治療(CR充填:25名・セメント充填:40名・抜歯:104名・クリーニング:30m栄・中止2名)、タオルやハブラシの配布をして、学校に石鹸の贈呈をしました。
ケソン市パヤタス地区は現在の「スモーキーマウンテン」になっているところです。かつてマニラにあったゴミ捨て場はものすごい量で、山のようだったことから、スモーキーマウンテンと呼ばれていました。それが取り壊され、今ではそこにマンションが連なっています。
そこに捨てられていたゴミは現在ここに運ばれています。平坦なマニラと違って起伏の多いことから「スモーキーバレー」といわれています。
ここで生活している人達を「スカベンジャー」といいますが、捨てられた生ゴミの中から食べられるものなら何でも拾って食べているのですが、それでも三日に一度くらいしか食べられません。
ゴミの中からビニール袋、アルミ缶などお金に換えられるものなら何でも集め、お金に換えています。しかし、普通の生活をする金額には程遠く、どうにもならない人ばかりです。
ここはゴミ捨て場ですから飲み水が無く、2万5千人は飲料水に困っています。つい最近の火災で沢山の人が焼け出され、避難生活をしていました。
今回の活動に使った学校にも水道は無く、ソライマン消防署の消防車で給水をしてもらいました。今回の患者さんは全てスモーキーバレー(ゴミの谷)の住人です。
第三日目
トンド地区、ラハ・ソライマン高校で、付近のスラム街の住人800人の歯磨きの紙芝居や保健予防活動、歯ブラシ・タオルの配布、144人(抜歯:126名・クリーニング:18名)の歯科治療をしました。
また、1月に起きた近くのスラム街の被災住民500人が体育館に避難していたので、歯ブラシ、タオルの配布をしました。
この地区も子供が多く、その日の生活に困る人ばかりです。住む家がないので、空き地という空き地に掘っ立て小屋を作って生活していますが、簡単に燃えてしまいます。
焼け出された住民は体育館で避難生活をしていますが、むしろ避難所の方がもともといた自分の家よりはるかに恵まれているように思いました。
第四日目
カビテ州ビナカヤン地区プーリンブリシタ孤児院と地区住民300人に、お米と歯ブラシ、タオルの配布を行いました。
家といっても竹を5センチ間隔で立ててあるだけで中は丸見え、家々をつなぐ道のあちこちに水溜りがあり、歩くこともままならないところに住んでいる人なのに、笑顔で明るく、人懐こくて救われました。
ここでも住民が日の丸の小旗を手にして歓迎してくれ、目頭が熱くなるような気がしました。
今回は、現地のロータリークラブの要請とフィリピン福祉事業開発省からの許可をもらい、長野県のローターアクトクラブと「ハローアルソン」フィリピン医療ボランティアの合同で行った奉仕活動でした。
ボランティアには様々なものがありますが、このような国際医療ボランティアは特別な意味を持っています。地球より重いといわれている人の命にかかわるボランティアに多感な時期にある高校生が参加したのですから、彼らの人生観に大きな影響を与えたと思います。
現在のフィリピンには私達の力を必要としている多くの人達がいます。そして、この活動を続けることで私達日本人が忘れている思いやりや、優しさを取り戻す力になるのではないかと思います。